2005年4月前半
エイプリル・フール。「東京新聞」が、見開きのページに「角のあるゴキブリ」「生きたマンモス発見」「サッカー10人制導入」などの記事を載せていて、最後に「これは冗談です」と嘘である事を伝えていたが、少々センスを疑う。確かニューヨーク・タイムズだったかと思うが、エイプリル・フールに「UFO襲来」と言うジョーク記事を随分前に載せた。それが嚆矢となっているが、今回の東京新聞は、それの二番煎じ以下で情けない。
夏物のスーツを買いに、紳士服のチェーン店に行く。これまでは、既製服ながらイタリア製生地のブランド物のスーツしか買わなかったが、高級な服地は弱くてパンツが直ぐに擦り切れて使えなくなる。余りにも、もったいないので安物で良いやと割り切った。が、安いと思ったが意外と高くてびっくり。僕の予算では1万5千円以下で買えるものと思っていたのに、そこそこのスーツは5万円くらいする。でも、探せばあるものでセールで9000円と言う掘り出し物があり、サイズもピッタリだった。化繊混紡だが、消耗品だから良しとしよう。1シーズンで着潰すのだから安物で十分だ。
次に、靴。このスーツは色が黒系統なので、靴も黒の方が合う。でも、僕は黒の革靴は一足しか持っていない。革靴は、一日履いたら一日休ませないといけない。同系色で最低二足は必要なので、リーガルのアウトレットに行く。僕は、リーガルが結構好きで、若い時分から国産の革靴はリーガルばかり買っていた。やはり日本人の足には国産の靴である。で、プレーン・トゥのごく普通の靴を買った。
アウトレットの駐車場にランボルギーニ・ディアブロが止めてあった。思わず、まじまじと見入ってしまった。車高が低い。ドライバーの視線に合わせてみると、こんなんで良く運転できるなー、と思う。スピード・メーターも340キロまで切ってある。本当に出るのだろうか? タイヤも太い。サニーちゃんの3倍くらいある。新車だったら、そこそこのマンションが買える価格だから、マンションが止めてあるようなもんだなー。走る不動産である。
僕には運転できないから乗りたいとは思わないが、眺めているだけで飽きないから欲しいなー。ディスプレーとしても良いと思うが、車は走ってナンボだろうから、そういう使い方は良くないな。せめてミッションカーをエンストさせないで運転出来るようになったら、買うのは無理だけど一度くらいは運転してみたい。
おかげさんに行く。まず、「来福 超辛+22」。神ちゃんが、「実験作ですから」と言うように「実験」である。が、これはこれで良いものだと思う。僕には、藤村さんが何を求めているのか分からなかったけれど、口当たりの爽やかさは、これまでの日本酒には無かった。ただ、「米」が感じられないのが、僕には致命的で、後味のえぐみのみが残る。
次に、今日の本命で「鳳凰美田 山田錦 大吟35% 袋吊り瓶火入れ」の三年寝かせたもの。最後に一合程残っていたものを、お隣さんと分けた。これは、美味かった。三年古酒? とは思えない澄んだ味わい。含み香が立ち、「米」が膨らむ。これこそ日本酒の粋である。美味いなー。
次に芋焼酎「三岳」の割り水燗。「三岳」は良い焼酎だなー。芋は割り水燗が一番だ。するすると入って、柔かく膨らむ。いつまでも、ゆるゆると飲み続けられる。いやー、美味いなー。
締めに、「天青 吟望 14BY」を燗にする。大田先生が、お好きらしく、五十嵐君に神ちゃんが「14BY残ってない」と聞いたら、蔵にまだあったとのこと。ようするに売れ残りの酒であるが、何と素晴らしい酒だろう。僕は香りが今一つ好みではなかったが、味の膨らみは抜群で、「米作民族」の琴線に触れる。良い酒だなー。
帰宅してCXの「物真似」番組の後半を見る。僕は、「物真似」と言う芸が好きで、芸として高く評価している。が、今日の番組は僕が見た範囲では、醜悪以外の何物でもなかった。日本酒で言えば「ヤコマン」の吟醸酒と言う感じか。
日本人は伝統的に「物真似」が好きと言うか、得意である。だが、観阿弥・世阿弥の言を引くまでもなく「形から入って内に入る」のが、日本文化の真髄であると僕は思っている。光悦だって井戸や李朝の焼き物の本歌取りだが、光悦自身の世界を築いた。その光悦や桃山を本歌としたのが魯山人だが、同じように独自の境地を切り開いた。
「学ぶ」とは、「まね(真似)ぶ」の派生語だという。光悦も魯山人も先人の仕事を「まね」して、独自の世界を作り上げたのである。思うに「真似」るのは、その精神を我が内に取り込む事であり、その心持で自身の世界観を作り上げる事が創作活動につながっているのだと、僕は思うのだが。
その、内にある精神性がなければ、それは醜悪なだけの偽者でしかない。今日の番組の出場者は、僕の眼にはそう写った。嫌な物を見たなー、と思った。世の中、うわべだけ「真似」た偽者ばかりが、はびこっている。本物の酒を飲んだ後だけに、いっそう悲しかった。
最寄駅の側に桜並木があって、毎日見ているのだが、いよいよ桜が満開になってきた。今日など、夜桜に見惚れてしまった。
我が国で「花」と言えば「萩」であるらしいのだが、僕には「桜」だ。奈良時代は、「花」と言えば「梅」だったが、平安からこっちは「桜」だと思うのだが・・・。「桜」には格別の趣があるが、考えてみれば不思議だ。例えば、華やかさなら「蘭」(国産じゃないけど)や「百合」に譲るし、香りでは「梅」に及ばない、豪快さでは「牡丹」に劣る。美人の形容でも「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言うように「桜」は選ばれていない。
が、定家が「この世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」と歌ったように、あるいは朔太郎が「桜の木の下には死体が埋まっている」と幻視したように、「桜」には人心を惑わす魔力がある。西行さんも「願わくは 花の下にて 春死なん その望月の 如月のころ」と桜を愛でていた。
僕も「桜」が好きだ。娘の名前をつける時にも「桜香」と書いて「はるか」と読むようにしようか、と思った程である。この名前は捨てがたいので、孫に付けようと思っているが、娘に拒否されるかもしれない。
これまでに見た桜は多々あるが、取り分け印象的なのは、渋谷のNHK前の桜である。昔、渋谷の会社に勤めていた頃、富ヶ谷のボロ・アパートに住んでいた。毎日、日付が変わってから井の頭通りを歩いて帰宅していたが、NHK前に桜がひっそりと佇んでいた。朔太郎ではないが、本当に「死体」が埋まっているんじゃないかと思うほど、妖しいまでに美しかった。一つ一つの花弁は透き通り、全体で薄桃色にぼんやりと輝いている。この世のものとは思われなかった。「幽玄」というものは、この桜だと思った。
花見は好きだが、上野公園等のドンチャン騒ぎは好みではない。やはり「桜」は、小人数で奥床しく愛でたい。旨い酒と酒肴があれば言う事はない。週末、お気に入りの酒を持って、花見と洒落込もうか。
フミーリャの「パナロス 2003」が試飲出ていたので、久し振りにアサヒヤさんに行く。我が家のデイリー・赤ワインは、スペイン・フミーリャの「モナステリオ・デ・サンターナ シラー」。フミーリャは、いま注目のワイン産地なのである。それに、オーストラリアのカーレン「カベルネ・メルロー 2002」も飲める。有料試飲は、イタリア・トスカーナの新興ワイナリー「バルゼ ディ・イストリチェ2001」。キャンティ・クラシコ地区では、サンジョベーゼの栽培限界標高の550メートルの高台に畑がある。
畑にハリネズミがたくさん生息しているため、「ハリネズミの傾斜」という変わった名前を付けた。もともと、ハウス・ワインを作るつもりでワイン作りを始めたカンティーナなのだが、近所のオノロゴのアドヴァイスを受け、土壌も良い事が分かったため市販することにしたらしい。
ハウス・ワインなら、9,954円と言う価格は可愛くない。始めた頃と造り方は変わったのだろうが、最近のイタリア・ワインは価格が高くなりすぎと言う感じがする。モダン・スタイルのイタリア・ワインで、まだタンニンがこなれていない感じがした。が、美味しい事は美味しかったが、価格を考えると買う気は起きない。サンジョベーゼとメルローのブレンドの割には、タニックなワインだった。
その他に、久し振りにボルドーらしいワイン「シャトー・メイネ 1997年」に、フェブレイの「オークセイ・デュレス」、ニュージーランドのシャルドネ酒を試飲した。「パナロス」は、上品にまとまったワインで好みだったが、我が家のデイリー赤の1.5倍の価格では、ちょっとなー。ニュージーのシャルドネ酒は、爽やかさとヴォリュームもあり良かった。カレンは、期待を裏切らないワイン。結局、いつものワインを12本買った。
お隣の空き地に、土筆がたくさん生えていた。春なんだなーと思う。多摩丘陵にも、桜が映える。薄桃色に丘肌が色づいている。良い季節になった。
免許の更新のため、多磨霊園駅からバスで府中の試験場に行った。この路線は多磨霊園の中を通るのだが、霊園内の桜が満開で、桜並木の中をバスは走る。試験場にも桜がたくさんあって、満開だった。
試験場に入ると人で一杯。印紙を買うのに30分くらい並んだ。それから、検眼のために並ぶこと30分。待ち時間だけで1時間以上、疲れた。更に講習が2時間。講習は、殆ど「飲酒運転」について。「飲んだら絶対に乗らない」と言う事を、事故の事例のビデオを見たりして、くどいほど聞かされる。更新が、こんなに面倒だとは思わなかった。まあ、初回更新だから2時間講習だったが、次回は3年後でたぶんゴールド免許だから、30分で終わるはず。そう思いたい。
「田倉」の割り水が、一ヶ月経ったので燗する。一ヶ月経った「割り水燗」は、柔かくスルスルと入る。ダメヤレの酒だ。「田倉」は、そのまま飲んだ時は、あまり好みではなかったが、「割り水燗」は、「芋」がほんのりと香り、旨いなー。しっかりと造られた「芋焼酎」は、水で割っても崩れないどころか、旨味が増す感じがする。満足。
月曜日。桜もそろそろ葉桜になっている。葉桜も趣があるが、舞い落ちる花弁が「もののあはれ」を誘う。桜は散る風情が、「いとあはれ」で「ものぐるをしい」。平安から桃山にかけて培われた日本人の「美意識」の全てを、桜は体現しているように思う。だからこそ、桜は特別なのだ。
今日も「田倉」割り水燗。ゆるゆると、旨い。
東京は、桜も終わった。今年も、ちゃんとした花見に行けなかった。まだ、東北では桜が見頃の所がありそうなので、まだチャンスはあるかな。
久し振りに、「芋」焼酎のハナタレを飲む。知り合いに頂いた、チョコをお供にした。チョコとハナタレ、なかなか合うなー。
取引先の若手と「おかげさん」に行く。彼は、日本酒初心者なので、「おかげさん」で旨い酒を知って欲しいなーと思った。
最初に東海林さんの手前、「夢心 大吟醸 3年古酒」を飲む。燗にしようとしたが、神ちゃんが「止めた方が良い」と言うので、冷や(常温)で飲んだ。一口、とてもアーティフィシャルな味がした。老ね香というより日向香を感じて「こりゃダメだなー」と、がっかり。
だが連れてきた彼は、「うまいです」と言って何故か感動している。確かに、居酒屋チェーンで出される日本酒や、紙パックの酒に比べれば、まだ「地酒」っぽいから、旨いと感じたのかも。
だが、次に「佐久の花 純吟 袋吊り」を飲ませると、「これは、何なんですか!」と、驚いている。「日本酒」初体験だったのではないだろうか。更に「鳳凰美田 雄町 15BY」には、心底感動したよう。確かに、この酒は旨い。続いて「佐久の花」の濃いヴァージョンに「王禄 直汲み」と畳み掛け、とどめは「天青 吟望 14BY」の燗酒。これは「塩麹」の秋刀魚を頂く。この組み合わせは、絶妙であった。日本人に生まれて、こういう酒と肴を食す幸せはこたえられない。おまけに「十四代 本丸」。今年の「十四代」は、やはり良い。
なんだかんだ、食べて飲んで2人で1万円しなかった。金曜日ということもあり、店内は満席。皆さん、美味しいお酒を飲に楽しんでいる。居酒屋は、こうでなくては。
| SEO | [PR] 出産内祝い 花 ダイエット 美容 | 無料レンタルサーバー ブログ SEO | |