2005年2月後半
金曜日にワープ。
飲みたい気分だったのと、ブログに「サヨリ」「ささ一 吊るし」が載っていたので、「おかげさん」に行く。花金(死語?)の八時頃、満席だろうなーと思いつつ行くと、幸いにも一席空いていた。
まず、「ささ一 吊るし」、肴は「サヨリ」と言ったら「サヨリ、なくなりました」と神ちゃんの連れない一言。「サヨリ」目当てで来たのにー、と思っていたら「半身だけならあります」と言うので「半身で良いから頂戴」。ついでに「皮はないの」と聞くと「薄いので投げました」とのこと。薄皮を串に巻いて、塩を振って炙ると酒の肴に最高なのだが、残念。
「ささ一 吊るし」、米は美山錦。これは、旨い。香り良し、味良し、切れ良し。難点は旨すぎて飲みすぎることくらい。次に、今年は特に良いと評判の「飛露喜 特別純米」。「ささ一」の後だと、第一印象は「物足りなさ」を感じる。しかし、「物足りなさ」の後に、静かに旨味がやってくる。ゆっくりと、しかし確実にしみ渡ってくる。
これは、凄い。静けさの中に旨味を秘めている。ゆっくりと向き合うことの出来る酒である、酒と語り合える。控え目でいて、聞けば応える阿吽の酒とでも言おうか。派手な酒ではない、しかし、一晩語り合いたいと思わせる酒だ。酒も造る人に似るのだろうか。本当に素晴らしい酒だと満足した。
次に「天青 純粋熊本酵母 千峰」。これは純米吟醸の火入れの酒で、一年経っている。寝かせたためか、酸も丸く柔かくなってきて、「関鯖」を肴にして飲んだ。熊本酵母も素晴らしいのだろうが、やはり五十嵐さんの丁寧な仕込みがあってのことだと思う。美味い酒である。
「佐久の花 活性にごり」の特別に濃いのを開けようとしていたら、之吟さんが「亀泉 活性にごり」の濃いやつを持ってきたので、急遽こちらを開ける事になった。神ちゃんが「一日に両方開けるのは無理」」と連れない事を言うので、お隣さん達と図って「亀泉」を速攻で飲み切り、更に「佐久の花」を開けた。
やはり、「佐久の花 活性にごり」特別に濃いヴァージョンは、最高に美味い。エルブジのソースのスペシャリテに、醤油をムースにしたものがあるが、これは日本酒の芯の部分のムースである。他では味わえ得ない。酒飲みの至福と言っても良い。
幸せな気分で店を出たら、霙(みぞれ)が降っていた。天気予報は当たる。最寄駅に帰ったら、雪になっていた。これは積もりそうだ。
土曜日、雪が積もっている。窓から見える小山(酒屋の小山さんではなく、小さな山と言うか丘)の雑木林が、雪化粧をしていて枯れた味わいがある。良い景色だ。燗酒を飲みたい気分。
妻と娘を多摩センターに送り、買い物をして帰宅。娘の英会話教室の後、小山(酒屋の方)に行く。妻と娘を車の中に置いているので、慌てて「ささ一 袋つるし」を奥から出してもらう。300本の限定仕入れで、残り16本。あっと言う間に無くなったらしい。そりゃそうだろう、美山錦の純吟で無濾過の生原酒の吊るしである。吊るしだと粕歩合が高く、効率が悪いので価格が高くなるのが普通。それが、3000円しない価格で買えるのだから、嬉しい。
喜八社長から、志太泉の望月専務が送ってきた16BYのサンプルを頂く。純米吟醸とのこと。何回か送ってきたうちでは、今回の酒は柔かく、香りも立っているとのことで、「試してみて」と言われた。確かに昨春の15BYの純吟よりも柔かい。しかし、僕には雑味が、まだまだ多く感じる。瀬戸川の伏流水の清冽な柔らかさ、純粋さが酒質に反映されていない。市販価格が一升3000円以上では、買いたいとは思わないだろう。
スーパーでモツを買い、冷凍保存してあった牛スジの煮込みと一緒にしてモツ鍋を作る。酒は「ささ一」。内臓やスジのような端の部位は、何で旨いのだろう。ただ、煮込んでいるだけなのに肉それ自体の旨味がスープに溶け出し、醤油や味噌や塩と交じり合って極上のスープになり、それを肉がまた吸いとって旨味が凝縮されていく。また、酒が良い。豊かな食卓に満足。
日曜日。晴れるはずなのに雨。いぎたなく寝ていたら、妻の携帯に知らない番号から電話が来たが無視する。10時過ぎまで寝ていた。近くの神社で、町内会(のようなもの)の餅つきが予定されていたが、雨だから中止だろうと勝手に決めて寝ていたのだが、雨天決行だったようで11時頃、同じアパートの女の子が娘を迎えに来た。中止だと思っていてから準備をさせていない、慌てて着替えさせて行かせた。
家にいる時は携帯を切っているので、気が付かなかったが僕の携帯にも見知らぬ番号から電話があった。餅つきの様子を見に行こうと、電源を入れたら伝言のお知らせが・・・。休みだと言うのにボスからだろう、と嫌々伝言を聞くと「Ciao, This is Anto・・・・」と、イタリアの友人からの伝言だった。最初に何故か妻の携帯に電話して、次の僕の携帯を鳴らしたようだ。
仕事で昨日から来日していて、今日会えないかと言うので、急遽夕食を一緒に取ることにして、妻と娘と出かけた。彼の定宿は浅草にあり我が家からは少々遠い、それで銀座まで出てきてもらう。彼は何でも食べられる人なので、店を選ぶのは比較的楽であるが、彼の好きな天麩羅の良い店は日曜日なので休んでいる。
なので、築地に関係ない「肉系」にしようと思い、僕の好きな「しゃぶしゃぶ」の店に行く。銀座四丁目交差点近くで中央通り沿い(地下だけど)にあるのに、安くて独特のタレが病みつきになる。量も多く、かなり食べる人でも満足する。彼も気に入ったようで、〆の雑炊まで食べきった。
昔の話や、近況などを話していると、あっという間に時間が経つ。娘が疲れてきたので別れたが、僕にグラッパを持って来てくれたらしい。ホテルにおいてあるので、来週また会うことにする。良い奴だ。
水曜日。グラッパを受け取りに退社後に浅草に行く。キャンティのグラッパだった。
帰りに「新門」に寄る。まず「十四代 本丸」。定番である。1合600円とは思えない美味しさ。肴は「煮込み」「レバ」「つくね」。昨年末の「本丸 生生」が良かったので今年の「十四代」は期待している。期待を裏切らない「本丸」。
久し振りに「十四代 純吟 八反錦」を飲む。日頃、「本丸以外は飲まなくても良いやー」、と公言しているが、本音は「十四代」は好きな酒。ここ数年の狂乱振りに嫌気が差しているだけで、毎年一番気になる酒である。
高木君が初めて仕込んだ年の「純吟 八反錦」が、初めて飲んだ「十四代」だった。ここ数年「十四代」の「八反錦」を見かけなかったので、懐かしくて飲んでしまった。
美味かった。
良く飲んでいた頃の「十四代」よりも酒質は高いと思った。やはり、今年の「十四代」は外せない。素直に飲みたいと思う。
家に帰り、寝酒として「キャンティ」のグラッパを妻と飲む。これは、また美味い。良く寝られそうだ。
「おかげさん」のサイトのブログに「金目鯛」が載っていたので、「奈良萬 純米」の燗酒で食べたいなー、と思い妻に「行って良い?」とメールしたら「子持ち鰈の煮付けを作ってる」と言われて、じゃー帰るかと思ったが、妻から「行って良いよ」と優しい一言があったので、行ってきた。
まず、「鳳凰美田 雄町」。これは15BYの酒。酒質の高さを感じる。久し振りに小林君の酒を飲んだが、良い酒だ。
最近はやりのトロ鯖の刺身。「脂がたっぷり乗っています」と神ちゃんが言うので、「来福 雄町」と合わせる。これは、「来福」の勝ち。世間様の評判ほど、トロ鯖は美味しいと思わない。悪くはないが、今一つ深みがなく感動しない。
いよいよ「金目」の煮つけ。付け合せに牛蒡が添えられている。「腹とカマ、どっちが良いですか?」と聞かれたので、迷うことなく「カマ」をもらう。目の周りのゼラチン質と身の部分、ヒレの所の締まった身、皮の部分、カマの所の身の部分。「奈良萬 純米」の燗酒と至福の一時。美味いなー。
先週と同じように、之吟さんが「亀泉」も活性にごり濃いヴァージョンを持ってきた。それとは別に「佐久の花」の活性にごり濃いヴァージョンもあり、両方とも開けてもらう。共に美味しい。楽しんだ。
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